la vie est merveilleuse!

ふと思いついたことの徒然をゆっくりと

大手?だから何?

ついさっき、人と電話をしていて
久しぶりに、うちは大手ですから、という言葉を聞いた。
だから?と心の中で苦笑する。


昔々のお話し
地主にアパートローンを組ませて
アパートを建てた建設会社の系列の不動産会社がアパートを借り上げて
毎月の家賃として地主に支払い、地主はそれを返済に充てる、というシステムを
目端の利く金融屋と不動産屋が構築した。サブリース、という。
返済が終われば、あとは家賃が満額入りますよ、アパートもご自分のものですよ
にっこり笑う不動産会社。ここで例のセリフ、越後屋、お前も悪よのお、笑
それは良い、と素人衆はあっちでもこっちでも銀行から借金をした。


借り上げた不動産会社は、今度はそれを貸主として、一般に賃貸する。
この賃料が、地主の返済の原資となる。
三井系のいわゆる大手不動産会社Mが募集していたその中の一部屋に、私が客付けした。
審査も通り、契約を残すばかり。
Mからうちの会社に契約書一式が送られてきた。
目を通すと、不備が見つかった。
建物所有者と貸主が当然ながら異なるが
両者の合意の証となる書面がない。
私は、所有者がMに貸主としてのスタンスを許可したのかどうか、を
賃借人に証明すべきではないか、
その書面、例えばサブリース契約書のコピーを添付してほしい、と申し出た。
もちろん金額は黒塗りでも良い。
地主とMがサブリース契約を締結し、転貸を許可した条項さえあれば良い。
そうでなければ、極端な話、契約金を支払った後で
地主が許可していないなどということにでもなった場合
賃借人は地主に対して対抗できない。追い出されたっておかしくない。


Mの若い担当者は、そんな書面は出せない、と言う。
今までそんなことを言ってきたうるさい不動産会社ななかった、と。
それはねえ、その不動産会社がいい加減なところばかりだったから。
筋論で言えば私の要求は当たり前なんじゃないの?
詰まってしまったMの担当者は言い放った。
うちは大手ですから。
吹き出してしまった。
だからなんだ、大バカやろー、笑
万一裁判沙汰にでもなったときに
大手ですから、という言葉で裁判官はああそうですか、と納得するか?
不動産屋なら不動産屋らしく、法に則って仕事をしろ、である。
持ち帰って検討してもらった結果
上の方では私の言い分に理がある、と判断したようだ。
見事に真っ黒ではあるが目的の条項の確認ができる契約書面を出してきた。
まあ、必要な箇所がわかれば良いのだからそれで良し。
確認が取れました、と賃借人に見せて、契約をしていただいた。
神戸の某大学の教授の娘さんで、後日教授から丁寧なお礼の手紙をいただいた。
仕事ですから。
法に則って筋を通す仕事をしてきたつもりだ。
根っこは、基本的人権。
だからこそ東京で30年近く不動産会社を経営できた、と思っている。


そんな私が、今、恋にうつつを抜かしている、笑
最後の恋。


気になったのはMの担当者が言った一言
今までそんなことを言ってきた不動産屋はいなかった、と。
賃貸屋という町場の不動産屋を少し下に見た言葉がある。
他にいなかった、ということにその原因の一端はあると思った。
不動産屋さんはたくさんあるけれど
みんながみんな同じレベルではありません。
業者選びは重要です。

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