la vie est merveilleuse!

ふと思いついたことの徒然をゆっくりと

103歳

2ヶ月ほど前のお話。
お店の常連さんのお母様が亡くなられた
103歳。


ここ数年は寝たきりで、胃瘻の処置をとっていたので食事も不要。
動けないし、話もしないし、ただ息をしているだけだったそうな。
夜中は家人が交代で3−4時間ごとにおむつを交換し、
床ずれを起こさないように体位を変えていた。
居間に床をとって、いつも誰かがいた。
反応はないが、話しかけていたそうだ。
みんなが集まって笑い合っているのを聞いていたか。
数年続いたそんな日々が
ある日の午後、おばあちゃんが息をしてない、の一言で終わりを迎えた。
主治医が呼ばれたが、当然ながら、ご臨終です、と。
焼き場がいっぱいで、遺体は保存され、1週間後にようやく荼毘に付された。


ほらほらこれが僕の骨
と歌ったのは中原中也。
余談。


改めて思ったが1世紀を超えての命。
大正9年に生まれて、昭和、平成、令和。
2度の戦火を逃げ惑いながら掻い潜り、関東大震災で焼け出され
激動の時代を生き抜いたのだ。
最後の数年間は、その分を休んだ?


お目にかかったことはないが
気持ちだけ、と香りの良いお線香をお贈りした。
ただただご冥福を。


お店では
私なら、胃瘻はしない
私なら、みんなに迷惑かけるなんて耐えられない
と少々批判がましい感想で、喧しい。
うるさいなあ、
あなた達の最期のことなんか聞いちゃいない。
どんな最期を迎えようがいいじゃないか。
迷惑?
家人は迷惑、と思っただろうか?


ああ、そう、終わったのね、で送ってあげよう。

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